「最近、うちの子のおしっこの量が増えた気がする」
「何回もトイレに行くのに、少ししか出ていない」

愛犬や愛猫と暮らす中で、このような「おしっこの変化」に気づくことはありませんか?

実は、おしっこのトラブルは動物病院でも特に多いご相談の一つ。しかし、その原因は決して一つではありません。

「少し様子を見れば治るかな?」と思うような一時的な変化に見えても、その裏には腎臓や膀胱、ホルモンの病気が隠れていることがあります。

今回は、犬・猫のおしっこの変化で気をつけたいポイントと、早めに尿検査を受けた方がよいケースについて紹介します。

尿トラブルは大きく3つに分けて考える

愛犬・愛猫の異変を正しく把握するために、まずは症状を次の3つのタイプに分けて考えてみましょう。

1. おしっこの「量」が増えた(多尿)
2. おしっこの「回数」が増えた(頻尿)
3. おしっこが「出ない・出にくい」(尿閉)

これらは一見似ているようですが、原因や身体の中で起きている問題はまったく異なります

①おしっこの「量」が増えた(多尿)

1回ごとのおしっこの量が増えている状態です。この場合、比例して水を飲む量も増えている(多飲多尿)ことがよくあります。

◼︎疑われる病気
慢性腎臓病、糖尿病、ホルモンの病気(クッシング症候群など)

慢性腎臓病についてより詳しく知りたい方はこちら
糖尿病についてより詳しく知りたい方はこちら

◼︎チェックポイント
「ペットシーツがいつもよりずっしり重い」「トイレ砂の固まりが明らかに大きくなった」という状態が続く場合は、内臓やホルモンの病気のサインかもしれません。

②おしっこの「回数」が増えた(頻尿)

おしっこの全体の量が増えるのではなく「少量を何度もする」のが特徴です。

◼︎疑われる病気
膀胱炎、尿石症(結晶や結石が膀胱や尿道を刺激する病気)

◼︎チェックポイント
特に猫は、膀胱から尿道にかけての「下部尿路疾患」を起こしやすい傾向があります。痛みを隠しがちな猫の「何度もトイレに行く」「トイレに長居する」という小さな変化を見逃さないでください。

③おしっこが出ない・出にくい(尿閉)

何度も排尿のポーズをとるのに、おしっこが数滴しか出ていない、あるいは全く出ていない状態です。尿の通り道が完全に詰まってしまう「尿道閉塞」の可能性があります。

おしっこが完全に詰まると、体内の老廃物を排出できなくなり、わずか数日で「尿毒症」という命に関わる危険な状態に陥ります。この場合は一刻を争うため、すぐに動物病院を受診してください。

こんな症状があれば早めに受診しましょう

「いつもと違うけれど、受診すべきかわからない」という段階でも、次の症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

・血尿がある
・半日以上、ほとんどおしっこが出ていない
・トイレに何度も行くのに少量しか出ない
・排尿時に痛がる、鳴く
・吐き気や嘔吐がある
・食欲が落ちている
・元気がない
・落ち着かず、じっとしていられない

動物病院ではどう調べる?原因を見極めるための検査

おしっこの異常は、一見すると泌尿器だけの問題に見えますが、実は腎臓やホルモンの病気(内分泌疾患)など、全身の病気が関係していることがあります。
そのため動物病院では、症状や年齢、体調に合わせて、以下のような検査を組み合わせながら原因を特定していきます。

・問診・診察
「いつから変化があるか」「お水を飲む量は増えたか」「おしっこの色や回数はどうか」などを詳しくお伺いし、お腹の触診などを行います。

・尿検査
おしっこの濃さ(比重)、血尿や細菌の有無、結晶、糖やタンパクが含まれていないかなどを調べます。

尿検査についてより詳しく知りたい方はこちら

・血液検査・画像検査(必要に応じて)
腎臓をはじめとする全身の状態を調べる「血液検査」や、レントゲン・超音波(エコー)を使って膀胱の形や尿石の有無を確認する「画像検査」を行います。

超音波検査についてより詳しく知りたい方はこちら

おしっこの変化に気づいたら、どうぞお気軽にご相談ください

「いつもと少し様子が違うけれど、これくらいで病院に行っていいのかな…」と迷うような小さな変化でも、決して遠慮なさる必要はありません。おしっこの異変は、大切な「体のサイン」です。

当院では、日頃のちょっとした疑問や「少し気になる」という段階から、飼い主様が気軽に頼れる診療を大切にしています。

院長は、腎臓や膀胱といったおしっこの病気に関する専門知識を持つ「日本獣医腎泌尿器学会 認定医」です。また、内臓疾患全般や循環器、腫瘍科の診療実績も豊富にございますので、全身のバランスを見ながら原因を探ることができます。

おしっこのトラブルは、早期発見・早期治療がとても重要です。うちの子の様子に少しでも違和感を覚えたら、いつでもお気軽に当院へご相談ください。

まとめ

犬・猫のおしっこの変化は、「量が増えた」「回数が増えた」「出ない・出にくい」に分けて考えると整理しやすくなります。

特に、おしっこが出ない場合は緊急性が高いことがあります。
原因は見た目だけでは判断しにくいため、気になる変化があれば早めに尿検査を受けることが大切です。

気になる様子があるときはお気軽にご相談ください。

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